myjink’s diary(みじんこの日記)

30歳、フランス大学院(経営・情報工学)留学中です

英語じゃないヨーロッパ言語を専攻するということ

この記事は、英語以外のヨーロッパ言語を専攻したいなって思ってる学生向けです。たまたま見つけてくれるといいなと思って書いています。

私は大学でドイツ語を専攻していました。就職や他の場面での活用を考えているわけではありませんでした。ただドイツ語の響きが好きだったからです。

一応英語も好きでしたが、自分で勉強できる教材なんてたくさんあります。なので、わざわざ大学で学ぶ必要性を感じていませんでした。私にとって言語はコミュニケーションツール。別に英語のその先の言語学にも文学にも興味はありませんでした。一応、新聞程度は読めるので、それで十分だろうと少し驕っていた部分もあります。

卒業から10年弱!改めて、英語じゃないヨーロッパ言語を学ぶメリットとデメリットについてお話させてください。

英語じゃない言葉を学ぶメリット

まず、メリットから!

言語を学ぶ環境としての素晴らしさ

英語よりも好きな言語があって、それを選択するという前提です。自分が好きなことを勉強できるため、学習の楽しさや知識の吸収スピードが段違いです。

また、大抵の場合、ドイツ語の授業ではネイティブのドイツ人教師が教えてくれます。これは日本ではあまり得られない貴重な環境だと思います。英語話者がいる場所はある程度ありますが、ドイツ語話者と出会うのはなかなか難しい。

それに、言語のプロから、新しく言葉を学ぶことができるチャンスでもあります。もちろん、一般的な中学校の先生は教育学の面ではプロでしょう。しかし、特に公立の学校では、先生自身がそんなに英語が得意ではないことが多いです。

https://www.mext.go.jp/a_menu/kokusai/gaikokugo/1351631.htm

これは文部科学省が平成25年…まあ随分前ですけど、その頃に行った調査の結果です。TOEIC730点以上を持っている先生が30%もいないと書かれています。

大学では言語学やその言語の文学のプロからの知識を得ることができます。当たり前のようにCEFRのレベルはC2以上です。その上、学校外の日常会話では得られない貴重な情報がたくさん最高です…。

ちょっとオタク的に嬉しいこともある

また、ドイツ語という言語にはファンタジー作品などで使われている場合もあります。そのため、ドイツ語の単語やキャラクターの性格とリンクして楽しむことができます。葬送のフリーレンはfrieren(凍る)が元になってる。など、名前でキャラクターの性格とかがわかる。なので、まあ、楽しいですが、稀にちょっとネタバレ食らった気持ちになったり。それでも楽しい。

英語じゃない言葉を学ぶデメリット

一方、デメリットもかなり存在します。むしろ、実益主義的な人ならメリットよりデメリットのほうが大きいです。

維持する環境を整える難しさ

まず、ドイツ語についてはメンテナンスが難しいことが挙げられます。相当気合がないとめっちゃ忘れます。

ドイツ語の教材はまだ少なく、日常的に触れる機会も限られています。私が現役の頃と比べると圧倒的に教材は増えてきています。それでも英語の数分の一です。私の頃なんて市販の日本語対訳がついた単語帳、なかったんじゃないかな…。たった10年弱前なんですが。

また、英語であればNHKのラジオとか英字新聞とか、対訳で学べるニュースがあります。しかし、ドイツ語は多分ないです。英語なら、podcastなんかを聞いてれば世界の時事問題と一緒に復習ができる。しかしドイツ語は段違いにメンテナンス面倒くさいです。

英語ができればDeutsche Welleなんかを使って復習するのもありですかね。でも、ドイツ語専攻するってことは英語を勉強する時間をそちらに割くということ。結局ドイツ語メンテ用の英語力は手に入らないまま卒業しちゃったり…のほうがあるあるかなあと思います。

このようにメンテナンスにはかなりの努力が必要です。私は現役の頃はおそらくB1〜B2レベルだったと思います。最近8年ぶりにA1の教科書を読んでみたら全然分からず、泣きそうになりました。辛すぎてその本買いました。フランス留学前で、フランスの日常会話と、あと授業用の英語やらなきゃと思いつつ、スキマ時間でちょっとドイツ語の復習してるけど、基礎単語とか普通に忘れてて辛い。なんもわかんない…。

就職では使えないと思った方がいい

当たり前ですが、就職で直接ドイツ語を活かす機会はほとんどありません!!

一応探したこともあるけど、ドイツ語を使用する職場は稀。しかも大半の人は大学で専攻したくらいだとB1レベル程度にとどまります。ビジネスの会話ができるようなレベルには到達しません。MARCHレベルの大学でドイツ語専攻をした友人の中でも、みんな学校で優秀な子たちだったけど、TestDaFを取得した人はいるかいないか程度…。もっと上の大学なら違うんですかね。

また、例えドイツ語の強い資格を持っていても、その価値を理解されることは難しい。例えば、「TDN5(TestDaF Niveau 5)」と言われても、ほとんどの人には何のことか分からないでしょう。一方、TOEICスコアが900点あると、「すご〜い!」と驚かれるでしょう。でも、実際のところ、TDN5はCEFRの評価で言えば、TOEICでは計測できないほど高いレベルだったりします。

TOEICのほうがコスパいいんですよ。ちなみにTDN5はTOEFLのほぼ満点レベル。

採用者が興味持って調べてくれたら気づいてくれるかもしれません。しかし、少なくとも新卒採用で倍率がン十倍〜とかのとき、いちいち調べてくれますかね。

ただし、新卒のときと、第二新卒くらいまでの転職であれば、ほとんどの場合「なんでドイツ語を勉強していたの?」と聞かれるため、そこで面白い話をすることができれば印象に残ることができます。

私の場合、高校受験が終わった後に外国語に手を出しましたが、その中で一番ドイツ語が好きだったので、頭のおかしいやつとして覚えてもらえました当時、フランス語、イタリア語、ロシア語、ドイツ語の4つをさらっと舐める程度に学んでましたとか抜かしたので、なおさらインパクトがあったのかもしれません。もうなんも覚えていないけど。

ただし、就職を考えるならば、普通に英文科で英語をペラペラにするか、英語に自信があるならば別の学科に進みながらTOEICTOEFLの対策をする方が良いでしょう。

役には立ってないけど、後悔はしてません!

それでも私はドイツ語を学んで良かったと思っています。なんも「実益!!!!」みたいなものはありませんが。

突然のちょっとしたエモなんですが、久々に学び直したりすると、古い友人と会ったような懐かしさや心地よさを感じます。まるでアルバムを開いたかのような…。少しずついろんなことを思い出す快感があります。

また、やっぱりドイツ語を勉強するには専門の機関や教師が必要ということです。一応ゲーテ・インスティトゥートとかありますが、趣味として社会人になってから通うのは金銭的な麺でも大変…。英語の場合、多くの教材やYouTubeの解説動画、レベル別の学習アプリなどが存在します。しかしドイツ語はそれが難しいので、やっぱり先生とか専門機関があるといいですね。一応Duolingoとかあるけど、簡単すぎますし、本屋に行っても参考書の種類が少ない。よって、自分にあう楽しい教材を見つけるのが難しいです。

要するに、ドイツ語に限らず、自分が好きなことを好きな時に思う存分学んでおくといいですね!!!!